3月6日・第3回春闘団交報告
労評は、会社に正直に誠実に交渉するよう求める
かくし事をすれば、何かやましいことがあるのではないかと疑われることは社会の常識です。「現業労働者のことを考えている」とか「精一杯の努力をする、あるいはした」という言葉、誰にでも言えます。この言葉を裏付ける客観的資料を明示するという行動で示さなければ、疑問は増幅され、それは不信へと発展するだけです。まして労資交渉という団体交渉においては、対立を増幅させるだけです。
第三回団交は、このような疑問が増幅する団体交渉でした。
労評が提出を求めた資料について、会社は「資料提出はできないが口頭で説明する」ということで説明がありました。
その説明はおおよそ「本来なら売上原価(営業原価)と扱うべき経費が、販売費及び一般管理費の経費となっていたので、販売管理費が多くなっている。この点は、会計士から指摘されていた。国際基準に合わせて損益計算書を直して計算すると、売上総利益率は(粗利)、7.23%となり、同業他社と変わりはない」というものであった。
労評から「販売管理費から売上原価経費に何が移ったのか」と説明を求めたところ、
①事務センター(7ヶ所)
②コールセンター(5ヶ所)
③支社(6ヶ所)の営業、業務、安全管理」
という説明があった。しかし、説明のあった項目の金額の説明はできなかった。会社団交メンバーは、それを知らない。
このような説明では余計に疑問を感じさせます。
(1)会社が言うところの国際基準ではなかったということが本当なのか?
(2)口頭説明をもとに計算すると、売上原価が約38億5千万円増大する。①~③の経費が38億円も掛かるのか?掛かるというなら売上原価明細書、販売管理費明細書を提出して、具体的に説明すべきであるが、それをしない。なぜしないのか?
(3)そもそも会社が説明において上げた①~③の事例が、売上原価の勘定項目として扱うべきか項目か?このように益々疑問が深まる説明しかされなかった。
簡単に妥結はできない
皆さん、今回の会社の説明を聞いて、ますます疑いが深まったのではないでしょうか。会社から説明がないので、単純に考えて、事務センターに年間10億円、コールセンターに年間10億円、支社に年間10億円掛かったとして、そんなに掛かるのか?それでもまだ8億円もあまるではないか?等々、と疑問は深まるばかりではないでしょうか。
当然、やましいことがあるから資料を提出できないのだろう、という疑問を持つでしょう。当然です。
賃金交渉は、1年間の労働者の生活のゆくえを決める重要な交渉です。その賃金交渉において、かなり儲けているのに、それを販売管理費で食いつぶしているのではないか、そのことがバレないために資料を出さないのではないか、という疑問を残したままで、3月14日に有額回答されても、それで妥結するわけにはいきません。平均一人当たり1万円以上の回答があるなら別ですが。
労評は、次回団交までに、再度、少なくても、①損益計算書、②その付属明細書である「売上原価明細書」と「販売管理費及び一般管理費明細書」を提出し、説明するよう強く求めました。
もちろんこの要求を拒否することは、不誠実団交として不当労働行為となります。
また同業他社において、3千4,5百円の回答があったと、会社から団交で報告がありましたが、これに少し上積みした程度の回答では話になりません。