私たち、日本労働評議会(略称:労評)名古屋クレストンホテル分会は、HMI(ホテルマネジメントインターナショナル)ホテルグループの、名古屋クレストンホテル(名古屋市中区栄)の従業員で結成した労働組合です。
今年1月、HMI本社の専務から突然、今年7月31日で名古屋クレストンホテルを閉館すると言われました。閉館の理由もまともに聞かされず、会社は、「雇用は守る」と言いながら、実際にやっているのは一方的な解雇です。納得もいかないまま、会社に使い捨てられてはならないと、働いて生活する労働主権と、道具ではなく人間として扱われるべき人権を守るために、たちあがりました。
<名古屋クレストンホテルについて>
名古屋クレストンホテルは、1989年にオープンした、東海地方最大の繁華街、ビジネス街である名古屋市中区に位置する「名古屋パルコ」のテナントであり、65の客室とラウンジバー、チャペルなどがあります。立地の良さから、名古屋への観光など多くのお客様にご利用していただいていますが…、実は、従業員は20名で常に人手不足でした。過重労働のなか、お客様に心地よく利用していただけるよう、20名で頑張って働いてきました。
名古屋クレストンホテル公式サイト
<いきなり伝えられた閉館・・・>
今年1月、HMI本社(東京)から専務や人事部が来名し、名古屋クレストンホテルを7月31日で閉館すると従業員に伝えました。閉館については、現在、「大感謝祭」と表した宿泊プランなどを提供しているので、すでにご存じ方も多いと思います。
閉館にあたり、HMI本社が私たちに伝えてきたのは以下の内容です。
7月31日閉館に伴い、7月31日まで働いた人には、①有給の買い上げ、②夏のボーナス支給(6月30日締め)、③退職は会社都合扱いとする。しかし、7月31日以前に退職した人には、自己都合退職とし、有給買い上げも一時金支給もしない。
さらに、「解雇ではない」「雇用は守る」と言いながら、再就職先として会社が用意しているのは、京都や浜松など遠方しかなく、最も近い愛知県内ホテルは、今働いている職種とは全く違う仕事しかありません。今、ほとんどの従業員は、退職を選択せざるを得ない状況に置かれています。
そもそも名古屋クレストンホテルを閉館する理由については、HMIは、名古屋パルコにテナント契約を打ち切られたからという説明しかしていません。名古屋クレストンホテルの年間売上は、他の系列ホテルのなかでもトップクラスの予算達成率です。いつもご利用いただいているお客様からは「閉館しないで継続してほしい」という声が多くあり、経営的に赤字、あるいは赤字におちいるような状況では決してありません。
わたしたちは、名古屋クレストンホテルと、従業員の労働と生活を守るため、ホテルの営業継続、従業員全員の雇用継続を会社に要求しました。
ホテル・旅館で働く労働者はお客様のために働いています。会社の使い捨ての道具ではありません!
HMIホテルグループの、一方的なホテル閉鎖、従業員の解雇は今回が初めてではありません。2020年にも多くのホテルで一方的な不当解雇を行っています。このときも、コロナ禍ではありましたが、決して、経営が苦しくてどうしようもなく、ホテルを手放したのではありません。会社が儲けるための首切りでした。労評は、2020年、石川県にあったHMI系列の旅館の閉鎖と不当解雇に対して、1人の従業員のたちあがりから出発して労働組合をつくり、HMIと交渉した経験があります。
お客様に触れ、お客様のために細心の注意を払って働いている労働者の苦労も知らないで、お客様の癒しや、旅の良き思い出となるよう精一杯つくす、わたしたちの労働の誇りを踏みにじる…さらにはその生活までおびやかす、HMIのやり方を変えさせたい。そして、ホテル・旅館のサービス業に従事する全国の労働者が、自分たちの労働の誇りをもち、道理を通して働くことができるように、そんな思いをもって、わたしたちは労働組合を結成しました。
結成当日、ホテル近くで短い時間ですがビラまきを行いました。平日昼間で人通りは少ないなかでの情宣でしたが、「あそこのホテル閉館するの!?」「これは問題だね」「周りの知人にも話をします」と応援の声をいただきました。
名古屋クレストンホテルをご利用していただいた方、また、そうでない方にも、ご支持、ご協力を心から呼びかけます。応援、よろしくお願いします。
(1)組合員への賃金未払い(休業手当)を支払うこと
2024年4月2日、会社は、突然、昼食を食べ終わった組合員をつかまえ、作業用のメガネをかけていない状態で製品の不具合を確かめさせ、「(メガネをかけていないから)よく見えない」と組合員が言ったことに付け込んで、不良品が増えている、その原因は組合員の目が悪いからだと決めつけ、病院に行って検査してこいと言って、組合員をその場で追い返してしまいました。その後、組合員が眼科に行って検査を受け、就労は問題ない、車の運転も問題ない、という診断書を会社に提出しても、会社は、組合員が働くことを認めず、しかも、外園さんは自分のつごうで会社を休んでいるとして休職扱いにし、賃金を払っていませんでした。
→会社は、労基署に対して、休職(本人が自己都合で取っている休み)であると主張し
ていたが、労基署は、会社が組合員に対して、休業命令を出したと判断し、賃金を支
払わないのは違法、したがって、休業命令を出している期間の賃金を支払うよう、是正
勧告が出されました。
(2)30分未満の残業代が払われていないので、その未払い分を支払うこと
会社は、これまで30分未満の時間外労働(残業)に対して、賃金を支払っていませんでした。労働組合との団体交渉で、会社は、時間外労働に対する賃金は1分単位で支払わなければならないことを、確認していたにもかかわらず、実際は皆さんに、「残業は30分単位で申請するように」と命令していました。
→これに対して、残業の申請が30分単位で行われていようが、実際に働いた分につい
て、1分単位で残業代を払わなければならないことを是正勧告が出されました。したが
って、これまで30分未満の残業代が支払われていないので、その分を、会社は支払わな
ければなりません。
(3)駐車場代(1ヵ月1000円)は、違法な天引きであること
規則に定めることも、労使協定を結ぶこともせず、会社が一方的に、駐車場を利用する労働者の賃金から、駐車場代として毎月1000円を天引きしていました。
→会社は、過去に賃金互助協定を結んでいると、労基署に報告していましたが、実際に
は結んでいませんでした。しかし、今年3月12日に労働者代表選挙が行われ、選出さ
れた労働者代表と、4月に新しく協定が結ばれました。そのため、形上、是正はされて
います。しかし、労働基準監督署は、それまでの期間は違法状態であったことを認めま
した。
(4)①就業規則の違法変更(70歳以上の労働者の不当な雇止め)
会社は、2024年4月に就業規則を改定し、70歳定年を設ける(今までは定年は存在しなかった)ことなどの項目を新たに盛り込んだが、事前に就業規則の改訂は労働者には一切知らされず、しかも、就業規則の改訂に必要な労働者代表の意見書は、就業規則の変更ではなく、時間外労働、休日労働に関する労使協定を結ぶ選挙で選ばれた労働者代表に署名をさせて、労働基準監督署に提出していた。
②違法な方法で労働者代表を選び、その人と締結した36協定を労働基準監督署に提出し、労働者に残業をさせていた。
→①と②について、どういう趣旨(目的)で労働者代表を選出するのか、説明されていないことについては、きちんとその趣旨を明示することが指導されました。
しかし、この問題については、労働者代表選挙が、最初から最後まで、全社的に周知させて行われたのかが重要な問題としてあるので、引き続き労働基準監督署に対して、是正勧告を出すよう要請していきます。
これまで、香流工業の経営者は違法行為、不当な行為を繰り返してきました。今回、労働基準監督署が是正勧告、指導をしたことで、会社の違法行為がはじめて、社会的に明らかになりました。
会社の好き勝手が許されてきた香流工業の歴史を変えよう!!引き続き応援をお願いします!!
2025年2月27日の朝、藤ヶ丘駅(地下鉄東山線)の駅頭で、会社の問題を訴えるビラまきを行いました!
配ったビラには、次のような内容を書き、横断幕も出して、支持、賛同を呼びかけました。
①香流工業が、コロナ禍でも経営者が「バブル」と言うほどに儲かっており、それ以降も売上を伸ばし続けていること。
②それに対して、労働者を低賃金、重労働で扱われていること。残業代未払いや駐車場代の違法天引き(会社の駐車場代を 1人1000円/月 として給料から差し引いている)など、労働基準法に違反している疑いがあり、労働組合から労働基準監督署に申告を行ったこと。
③えこひいきの査定が行われており、会社に気に入られなければ昇給はほとんどないこと。例えば、今年の冬の一時金では、現場労働者は基本給の1か月分に満たない金額であるのに対して、管理職には3ヶ月分以上(金額にして約5倍)の一時金が支給されている可能性があること。
③野坂企久夫社長と野坂記美予専務は、不当労働行為を繰り返しており、団体交渉の引き延ばしや、組合活動に対する根拠のない言いがかり、労働組合への誹謗中傷、組合員へのパワハラや不当な降格処分など、あげればキリがないこと。時には、労働組合の活動中に、警察を呼んで妨害してくるなど、非常識な対応を繰り返しており、いくつかの不当労働行為は愛知県労働委員会でも調査中であること。
④労評香流工業分会は、決して法外な要求を掲げているわけではなく、労働者の誠意ある労働の対価としての賃上げ、一時金を要求し、また労働環境、労働条件の改善を通じて会社の発展に貢献する意志を持って、組合活動に臨んでいること。しかし、経営者は、労働組合を自分たちに文句を言う存在としてしか認識していないこと。
⑤会社の対応は、景気回復のために賃上げを要請している日本政府の方針にも反すること。会社が開示した経営資料によれば、経営者一族が多額の役員報酬を受け取り、設備投資を積極的に行っていることは明白だが、賃上げ交渉の中でこの問題について扱ったら、これ以降、会社は開示する経営資料から役員報酬の項目を削除し、その他のほとんどの項目も黒塗りとなった資料を提出してくるようになったこと。香流工業分会の闘いは、中小企業労働者の生活と労働を改善する典型的な闘いであること。
朝の通勤ラッシュでのビラまきでしたが、1時間程度で100人以上の方にビラを受け取っていただきました。ビラを見た方からは、「ひどい会社だね。」「今でもこんな会社があるんだね」など、労働組合の活動を支持する意見もいただきました。
今回行った街頭情宣に限らず、普段、香流工業の本社工場前で組合ニュースを香流工業で働く労働者に配っているときにも、地域住民の方から「頑張ってね!」と声をかけていただいたり、最近はなんと、カイロを差し入れてくれた方もいました。
香流工業以外の方から協力いただくことで、組合の主張していることが社会的にも支持されるという実感、確信が持て、組合の力になっています!本当にありがとうございます。
引き続き、街頭情宣を行っていきます。今後もご支持、ご協力をお願いします!!
当日配布したビラ▼
藤が丘駅前での街頭情宣の様子▼
香流工業について
香流工業株式会社は、愛知県長久手市に本社を置く金属部品製造業(亜鉛・アルミダイカスト産業)の会社です。規模は200名、愛知県内に3工場、福井県に1つの営業所(金型製作)を所有しています。金型製作、鋳造、加工、仕上げまでの工程を一貫生産で行っていることを強みとして成長を続け、同業種の中でも全国トップクラスの業績を誇る会社です。コロナ禍にあっても過去最高売上を更新し続け、昨年末には愛知県瀬戸市に新たな工場用地を購入し、新工場建設をもってさらなる利益拡大を計画しています。
会社は多額の利益を上げ資産を蓄積しているにもかかわらず、多くの労働者が低賃金であり、賃上げや一時金(賞与)はごくわずかです。一方、えこひいきによる不平等な査定が当然のように行われ、経営者や管理職によるパワハラ、労働組合への弾圧をはじめ、数々の違法行為を繰り返しています。
会社の専横体質を社会的に明らかにするため、
5つの労働基準法違反について労働基準監督署に申告しました。
2022年10月から、香流工業の従業員が、労働者の主権と人権を守ることをめざし、日本労働評議会(労評)愛知県本部の指導、援助のもと、労働組合(労評香流工業分会)を結成し、会社と交渉を続けていますが、組合員の不当な降格や配置転換、経営資料の改ざん、団体交渉の引き延ばしなど、その対応は、一貫として不誠実かつ組合への敵意に満ちたものです。このような会社の不誠実、不当な対応に抗議し、会社の専横的な支配、管理の実態を社会的に明らかにするために、2月12日に5項目の労働基準法違反を瀬戸労働基準監督署に申告する運びとなりました。
香流工業の実情は、低賃金で重労働を課し労働者を酷使する中小企業の典型です。まさに今、低賃金が日本経済のアキレス腱となっていますが、香流工業のように労働者の主権と人権を踏みにじる企業があっては、日本経済の成長はなし得ません。労評香流工業分会の活動は、中小企業の実態にスポットを当て、一石を投じる問題であり、中小企業労働者の生活と労働を改善する象徴的な闘いとしてあります。
【労働基準監督署に申告する事案の概要】
(1)就業規則の違法変更(70歳以上の労働者の不当な雇止め)
会社は、2024年4月に就業規則を改定し、70歳定年を設ける(今までは定年は存在しなかった)ことなどの項目を新たに盛り込んだが、事前に就業規則の改訂は労働者には一切知らされず、就業規則の改訂に必要な労働者代表の意見書は、別の目的で選出された労働者代表(時間外労働、休日労働に関する労使協定の代表者)に署名をさせて労働基準監督署に提出していた。
(2)時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)の違反
違法な選挙方法で選出された労働者代表と締結した36協定を労働基準監督署に提出し、労働者に残業をさせていた。
(3)30分未満の残業代未払い
30分未満の時間外労働に対して賃金を支払っていないこと。労働組合との団体交渉では、時間外労働に対する賃金は1分単位で支払わなければならないことを認めていたにも関わらず、実際は従業員に「残業申請を30分単位で申請せよ」と命令していた。
(4)労働者への不当な賃金未払い
会社都合で出勤を停止していた労働者に対して、約4カ月に渡り賃金を支払っていないこと。
(5)駐車場代の違法天引き
法令に定めることも、労使協定を結ぶこともなく、会社の駐車場を利用する労働者の賃金から、駐車場代として毎月1000円を違法に天引きしていること。
今後、香流工業が重ねた違法行為を連載していきます!
労評は企業や職種、業種の違いに関わらず、労働者であれば一人でも加盟できる、中小企業を中心として労働組合(合同労組)です。労働相談は労評へ。相談無料、秘密厳守。